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「使いやすい」から「使いたい」へ

 HALデザイン研究所では、人間工学の知見から「使いやすい」ものづくりを研究・提案してきたが、「使いやすい」と評価された商品が必ずしもよく売れる訳ではない。「使いやすい」と「使いたい」は異なり、「使いたい」というレベルにするためには、顧客の本質的なニーズを掴んだ上で可視化することが何より重要であるからだ。HALデザイン研究所では、「使いたい」というレベルを目指して、商品づくりを行っている。

 顧客が商品を「使いたい」と思わせる洞察を掴むには、顧客の行動から「未充足の強いニーズ」に着眼することがひとつの方法としてある。未充足の強いニーズとは、「本当はしたくないが、今、いやいややっていること」というニーズである。例えば、調理の場面における、行動/不快感情/生活ニーズ/未充足の強いニーズを独自の方法論で整理すると以下のようになる。例えば、食洗器を使う過程で当たり前のように行っている行動も改めて観察してみるとニーズはいくつもある。このように生活ニーズから一歩踏み込んで、未充足の強いニーズを見つけ、それらに対処することが新しい商品コンセプトの種となるのである。

例:調理の場面の行動と未充足の強いニーズの関係


ものごとの本質から新しいアイデアを産み出す

 断片的なシーンからの課題解決ではどうしても表面的な商品コンセプトになりがちです。顧客の未充足の強いニーズは、ものごとの本質を示したものであるからこそ、そこから起点となるアイデアは要点を押さえたアウトプットとなります。また、独自の方法論によりこれらをよく魅せるためのユーザ体験を磨き上げることによって、競合と十分に差別化ができるアウトプットをご提案可能です。御社の商品について、ご協力させて頂けませんか?

例:未充足の強いニーズからアイデアを産み出す



ご興味をお持ちの企業等の皆様、是非、お気軽にご連絡ください。

連絡先 (株)HALデザイン研究所 石本明生

メールアドレス ishimoto@hal-design.com

電話番号 029(850)6446

携帯電話 090-6026-5531


歩きやすい靴は何が違うのか

 最近、健康増進のためにウォーキングをする人が増えてきました。ウォーキングには、ダイエットだけでなく、体幹を鍛えたり、身体を矯正するといった様々な効果があり、老若男女それぞれのモチベーションで幅広く取り組まれています。  またウォーキングには、ウォーキングに特化した「ウォーキングシューズ」というものがあります。当HALデザイン研究所は、ウォーキングシューズと一般のシューズと比較して、靴の形状の違い、筋肉の負担や歩き方にどのような違いがあるかを観察・評価しました。


(1)靴の形状の違い

 靴の形状からウォーキングシューズと一般のシューズと比較すると、最も大きく異なる点は、ウォーキングシューズは「靴の裏の形状が不安定」になるように作られていることが分かります。この形状が身体の負担や歩く姿にどのように影響を与えるでしょうか。今回、評価に用いたシューズ(表、裏)の形状を以下に示します。





(2)筋肉の負担の違い

 はじめに、歩行時の筋肉の負担を、筋電位を用いて計測しました。

 歩行時の筋負担を比較すると、ウォーキングシューズの方が「拇指外転筋(ぼしがいてんきん)」「ハムストリングス」「大腿直筋(だいたいちょっきん)」等がいづれも大きいことが分かります。足の親指で身体の安定を保ったり、膝を曲げるための筋肉です。

 これは、ウォーキングシューズは足の裏面が不安定なため、歩行時に身体が不安定になり、安定を保とうとしてそれぞれの筋肉が強く働いたことが考えられます。これにより、体幹が鍛えられたり、エネルギーの消費の増加が期待できます。





(3)歩き方の違い

 次に、歩き方の違いを観察しました。計測には、当社のマーカーレス3次元動作計測システム(商品名:AnakinSystem)を用いました。3台のDepthカメラを用いて、人の歩く姿を普段着のままで計測ができ、その様子を自由に視点を変えて観察できます。

 今回は、歩行速度と歩幅に着目しました。何れも、ウォーキングシューズの方が大きくなっています。一方で歩行速度の増加は、両者の歩調(毎秒、何歩歩くか)には、差が見られなかったので、歩幅が大きくなったことによるものと考えられます。つまり、ウォーキングシューズによって、「大股で歩かされている」という効果が分かりました。

計測結果を商品改善に活かす

 今回は取り上げませんでしたが、身体の前後左右への傾き、腕の振り方、足の運び、さらには足の裏に掛る圧力分布からも有効な知見が得られます。私たちは、つぶさにデータを観察することによって、全く新しいコンセプトの商品が創造できると信じています。長く歩いても疲れない、美しい歩行を助けてくれるなど考えられます。

 私たちは、計測結果を通して各部位を構成する最適な材質や形状の決定や足や足指に付けるサポーターの開発等もお手伝いできます。ご相談については、お問い合わせより承っていますので、気軽にご相談ください。



子供たちが快適に背負えるランドセルを

子供たちに長く愛用してもらえるランドセルを作るためには、「背負いやすさ」を考えることが最も重要である。子供たちに色々なランドセルを背負って頂くと、確かに背負いやすいランドセルとそうでないものが確かにある。しかし、具体的にどこがどのように違うののだろうかを理解することは難しく、製品改善に繋げづらいという課題がありました。

ランドセルの「背負いやすさ」を測る

HALデザイン研究所は、当社で開発したマーカレス3次元動作計測システムを使ってランドセルの「背負いやすさ」を計測できる方法を提案しました。最大3台のDepthカメラを使ってランドセルを背負った子供の骨格の動きを精密に取得することができます。

子供にランドセルを背負った状態で、子供の歩く姿勢とランドセルと身体の相対的なずれを評価/分析しました。背負いやすいランドセルは、ランドセルと身体の距離が小さくリズミカルに変動します。また、身体の前後の揺れも少ないことが分かります。


感性的項目でも定量的計測により 製品改善にフィードバックしやすく

製品の使い勝手は何気ない身体の動きに現れるものです。ランドセルの「背負いやすさ」といった感性的項目であっても、身体の動きから定量的な計測が可能です。定量的な計測は改善箇所が具体的になるため、製品改善へフィードバックしやすくなります。 クライアント様からは、「背負いやすい」ランドセルとそうでないランドセルの違いがどこにあるかが分かったので、背負いやすいランドセルの本体や肩ベルトをどのように設計すればよいかが分かりました。との声を頂きました。 御社の製品や商品も身体の動きを計測してみませんか。



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